fuurow’s blog

散文的自叙伝

salvation

私は

ひとりの人間がこの世に生まれた瞬間から、その人間と一生涯を共にする非力な意識の現象である。

 

昭和四十年。


この世界の片隅で、私が一生涯を共にすることになった愛すべき相棒となるひとりの男の子が産声をあげた。


相棒は生きているすべての人と同じように予測不可能な人生の変化に右往左往しながら、多くの出会いと別れの中で学び、そして成長していった。


やがて結婚し男の子を授かる。


すべてが順風満帆のよう見え、このまま幸せな人生の勝者として生きていくのだろうと思っていた…


しかし…

 

時間の流れは皮肉を心得ていた。


相棒三十六歳の秋。


パニック障害を発症し、会社から解雇されてしまう。

幸せな人生が負の力に引き込まれるように大きく傾きはじめる。


鬱状態から自我の崩壊を向かえたが、幸いにも「本当の自我」のサルベーションに成功し、それが突破口になった。 だが、その人生の変化は、離婚、借金という更なる負の連鎖反応を引き起こし容赦なく次々に襲いかかってきた。

 

生きていると色々なことが起こる。同じところをぐるぐると回りながら何度も何度も挫折と絶望を味わい、死んでしまいたいと思うときもある。それでも避けられない運命「死」が訪れるその瞬間まで「生きるということ」をけして諦めないと相棒は心に決める。

 

なぜなら、生きてさえいれば今までに数え切れないほど経験してきた最高の瞬間が、必ず未来で自分を待っているのだと「本当の自我」のサルベーション後にはじめた「自分探し」の中で取り戻してゆく多くの記憶に教えられたからだ。

 

世界に吹き荒れる大不況に人間社会は大打撃を受け、更にCO2の排出と環境破壊が引き起こす異常気象が追い討ちを掛けるように、すべての生命の今日を秒単位で変化させてゆく。


慢性的な国家と企業の経済力低下が、職を失う者や就職すらできない老若男女を急増させた。

その当事者たちの苦悩は、家族にも大きな影響をもたらし、それぞれの心に大小様々な闇を生む。

 

人類の性なのか…

世界中の歪んだ心の深い闇は、強盗、恐喝、殺人、レイプ、麻薬、詐欺、搾取、横領、人種差別、抑圧、家庭内暴力、児童や動物への虐待、育児放棄、いじめ、誹謗中傷、といった様々な形で表面化し社会に放出され続ける。
そして、負の連鎖により新たな悲劇を生み出す心の闇たちが人々の潜在意識内で静かに拡散され成長してゆく。

 

今、本当に必要なのはひとりひとりの「本当の自我・心」の救済なのではないだろうか。

 

その一瞬一瞬を自由奔放に駆け抜けていた幼い頃のような、純粋でシンプルな本当の自我と心を救済し、自分らしさで今日を生き切る明確な意義と理由を、歩むべき道を、今一度探す時が来ているのかもしれない。

 

 

この物語は世界の片隅で私の相棒となった、見てくれもおつむのできもイマヒトツではあるが、深い愛情とROCKな反骨精神を胸に秘めた、ある意味天才的?とも言える「閃き」と「強烈な思い込み」を武器に「生きるということ」に正面から向き合う中年ロック詩人「遠藤家次男」の断片的な過去を綴るスライドと物語である。


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